「大医癒人」 ・・・スタッフ募集によせて
かつて我が国では家族を自宅で看取ることは珍しいことではなく、
看取りを通して「生老病死」という概念が自然と受けつがれていた
時代がありました。1950年代半ばからの高度経済成長に伴う
医学・医療の進歩により多くの恩恵が生み出されましたが、
それに反比例するように在宅での看取りは急速に減少し
今やほとんどの国民が病院で最期を迎える状況となっています。
我が国の医療の進歩により日本人の平均寿命は世界でもトップ
クラスとなりましたが、今後どれほど医学が進歩しようとも
人にとって「死」が不可避になることはありえないでしょう。
やがて迎える人生の終末期に入院を余儀なくされることは、
それまでの日常・家族・地域での人間関係から当人を切り離す
ことに他なりません。人がその人らしい人生を自宅で最期まで
まっとうできる国に今一度立ち返るためには、医療・介護関係者
だけではなく行政・国民の意識転換が今こそ必要です。
迫り来る多死時代に対して、国は在宅医療を推進しようと
しています。在宅医療では、患者さんの様々な医学的データ
だけではなくその方の趣味や死生観、ご家族のお仕事やどなたが
主介護者になるのかといった情報がとても大切です。
もしあなたが大病院の医師や看護師であったとして、そういった
情報は気にかけてらっしゃるでしょうか?もちろん日々の
診療や新しい医学知識を身につけることで一杯一杯なのは
解ります。私自身そうでしたから。
ただ、患者さんのご自宅での療養を支える時にはそういった
情報が不可欠になることは、在宅医療に携わってから身にしみて
わかりました。もちろん医師だけで全てをまかなえるはずも
ありません。そのため在宅医療・介護には沢山の職種の方
・ボランティアの方が参加され、1つのチームとして協働します。
「老いても病んでも我が家で最期まで暮らせる」よう在宅医療
・介護を充実させられれば、自然とご自宅での最期を希望される
患者さん・ご家族が増えていきます。そして在宅で最期まで
支えることが出来た時の、喜び・充実感は医療・介護スタッフ
のみならず残されたご家族も強く実感されます。
病院という殻から外に出て、我々と一緒に在宅医療に
取り組みませんか?24時間365日のストレスがあなた一人に
のしかからないよう、スタッフのケアも十分心がけた職場を
実現しています。