自分の生きる場所を選ぶ。それは当然のこと。今までの医療はその選択肢が限られていました。
これからはご本人とご家族の意志さえあれば療養の場所としてご自宅が選べます。
「よりよく生きる」東京在宅ケアクリニックは、そのお気持ちと向き合いたいと思います。
患者様・利用者様がそれぞれの療養環境・生活環境で、思い思いの生活を送れるよう、できるだけご本人様やご家族のご要望に応えながら、地域の様々な社会資源と連携して、生活の支援を行なっていくのが在宅医療・在宅介護です。ご自宅で安心して過ごしていただけるよう、24時間365日の対応を行なっています。私達は患者様・利用者様や地域の方々から必要とされることをやりがいとし、患者様・利用者様の立場に立った医療、介護を提供して行きたいと考えています。
我が国の医療の進歩により、日本人の平均寿命は世界でもトップクラスとなりましたが、今後どれほど医学が進歩しようとも、人にとって「死」が不可避になることはありえないでしょう。やがて迎える人生の終末期に、入院を余儀なくされることは、それまでの日常・家族・地域での人間関係から当人を切り離すことに他なりません。
最近は末期がんの方でも、入院ではなくお家で自分らしく生活しながら療養し、出来れば最期まで過ごしたいという方が増えてきました。
そういった場合、1番大切なのは、患者様ご本人が在宅療養を切望されること、そして次に大切なことはそのお気持ちをご家族が理解し、在宅療養を支えてあげることです。
「お家での看取り」と言うと、皆さん大変なことのように思われますが、日本でも1950年頃は、8割以上の方がご自宅で最期を迎えられていました。それがだんだんと少なくなり、1970年代に病院死と自宅死の数が同じくらいとなり、現在ではご自宅で亡くなる方は12%程度になっています。今の時代の介護を担う世代の方は近親者をお家で看取った経験のない方が多いため、益々ご自宅での看取りに対して身構えてしまうのだと思います。在宅医療がどのようなものか、お家での看取りが決して困難な事ではないこと、そして何よりも住み慣れたお家が1番ということを知って頂ければ思います。
当院は1999年に開設された在宅医療・在宅緩和ケア専門の医療法人徳島往診クリニックを母体としています。これまで徳島往診クリニックは、末期がんの方やALS・パーキンソン病をはじめとした神経難病の方など、以前はご自宅で過ごすことが困難と思われていた多くの重症例の方の在宅療養・看取りに15年あまり関わってきました。
この度ご縁があり、理事長の母校のあるお茶の水で在宅医療専門のクリニックを開設させていただくこととなりました。 2025年は団塊の世代が75歳を迎え後期高齢者となる年です。特に東京を中心とした大都市圏で75歳以上人口が爆発的に増加することが予想されています。介護保険が始まって12年余りですが、介護に関するこれまでのデータから75歳を境にADL(日常生活動作)が急速に低下し介護を必要とする方が急増することが分かっています。
日本は生活習慣病を克服し世界でもトップクラスの長寿国となりましたが、それゆえ年老いてからの人生の終末期をいかに幸せに過ごすかという新しい問題が生じました。今まではADLが低下すれば入院・入所という選択肢しかありませんでしたが、当院は在宅医療専門のクリニックとして、老いても病んでも住み慣れたご自宅でできるだけ長く過ごせるよう、ご希望があればご自宅で最期を迎えることができるよう、今まで培った経験を活かしてお手伝いしたいと思います。
当クリニックの想い
在宅療養支援診療所として実績のある文京区、千代田区の三つのクリニック(コーラルクリニック、文京根津クリニック、水道橋東口クリニック)が連携し2012年10月に立ち上げられた「御茶ノ水ドクターズネットワーク」に加盟させていただきま した。これにより、「機能強化型 在宅療養支援 診療所」として診療を行うことができるようになる予定です。当院は、これまでも広範な地域に及ぶ連携病院、訪問介護ステーション、介護事業所、調剤薬局との連携を進めてまいりましたが、今後も患者様の立場、高齢者の立場に立った質の向上、安心の提供に努めてまいります。